親知らずを抜くと必ず腫れますか?
先日お昼休みのカフェで、若い男性2人組のお話を盗み聞きしておりますと・・・確か金曜日でしたね・・・
「今日今から親知らず抜かないとならないんだよ」
「えーお前絶対腫れるから、やべーじゃん。土日終わったな。俺抜いたときスゲー腫れたし」
「2本抜かないといけないんだって」
「マジ?一日で2本抜くの?」
「いや1本ずつ。だから2回やんないとならない訳」
「絶対腫れるから!!上の歯?下の歯?」
「上の歯左右とも」
この会話を聞いて、話しかけようかなあ・・・と思いましたがやめておきました。
下の親知らずを抜歯した場合、腫れるケースはよくありますが、上の歯を抜歯した場合むしろ腫れるケースはごく慣れです。
当医院では親知らずを抜歯するケースは日常茶飯事ですが、「上顎の親知らず抜歯で予後不良の腫れたケースは100本中1本あるか無いか」
というイメージです。
ここで、腫れ方のご説明をしておきます。2つの腫れ方があるとイメージしてください。
いい腫れ方と、悪い腫れ方!!
いい腫れ方とは・・・抜歯した場合、お口の中でけがをしたのと同じ状態になります。
身体は怪我をしたときそれを治そうとする働きがあり、その主役は血液たちです。血液には体に侵入させたくないものをブロックする力、傷ついた組織を再生する力があります。お口の中で大きなけがをしたわけですから、「これは大変だ!」と血液たちがたくさん集まってきます。
いい腫れ方とは、血液たちが集まりすぎた状態で、身体のほうが傷を治そうと上手く働いている証とも思われます。
では、悪い腫れ方とは・・・抜歯をすると大きな組織欠損部位をつくります。いい腫れ方の時にお話した血液たちが思いのほか集まりが悪かった場合、そこには汚いものが溜まってしまします。そこで感染が起きるわけです。感染を起こすといわゆる膿が溜まり始めます。これが悪き腫れ方の一連です。
話を戻すと、上顎の親知らずを抜歯した場合あまり腫れないのは、抜歯窩の中に必要以上に血液が貯留しにくいので、いわゆる「いい腫れ方」を起こしにくいことがあります。逆に下顎の場合、「いい腫れ方」を起こしやすいわけです。
私的には、悪い腫れ方をしないようにいくつかの努力をしています。
まずは、出来るだけけ怪我を最小限にすること。組織の損傷を最小限にする、つまり歯は抜去しますが、周りの組織(粘膜、歯槽骨など)を出来るだけ傷つけない。
少なくとも「いい腫れ方」になるようにできるだけ血液が上手く溜まりやすい処置を行う(縫合、パックなど)
術後は出来るだけ安静にしていただく、更には感染予防の抗生剤を服用していただく。
血流の良くなることを避けていただく(運動、厚いお風呂での入浴など)
一番大事なのは・・・血液の貯留を適切に促すため・・・強くうがいをすることを避けていただく。口の中に血の味がしてくるので、何となくうがいをたくさんしてしまいがちですよね。
結論!
歯医者さんは抜歯後に腫れないように最善の努力をしている。上顎の親知らずは術後に腫れるリスクは比較的少ない。下顎の場合は腫れるリスクがある程度ある。腫れを最小限に食い止める方法はいくつかある。歯医者さんとよく相談してください。
